ラツィオ・首位陥落の危機!!



イタリアリーグ・セリエAも第29節を終了し、残すは5節となった。 独走状態でこのままスクデットをあっさり決めてしまうのか、と思われていたラ ツィオに、今、黄色信号が点っている。きっかけは、ローマダービー。以前、 「連勝のきっかけとなったのはローマダービーだった」と書いたが、今回はどう やら忌まわしい試合となってしまったようだ。

「ラツィオ帝国」斜陽の序章は、第27節のミラン戦。その試合まではカリアリで の引き分けを挟んで連勝街道まっしぐら。2位以下に勝ち点差5以上をつけてい た。残り試合数からみれば、若干のゆとりを持っているものの、不気味な追走体 勢に入っているミラン=当面の敵になりうる相手は叩いておかなければならな い。ラツィオはホームの有利性を活かして、きっちりと勝ち星を得るものと思っ ていた。ところが、期待に反して、ラツィオは不甲斐ない戦いを披露した。0対 0の引き分け。2位以下がコケてくれたから誰も問題にしなかったものの、個人 的には、彼らのプレーからは以前のような破竹の勢いが感じられなかった。恐ら くラツィオは失墜しはじめる……

その予想は現実のものとなった。ダービー戦。ローマに完敗、と言って差し支え ないだろう。自慢のプレッシングサッカーは、中盤とディフェンスの間に異常に 開いた空間によって機能していなかった。この日のラツィオはラインをただズル ズルと下げ、妙に消極的だった。また、ディフェンス陣が最悪だった。ミハイロ ヴィッチが相手とつかみ合いのケンカをして退場処分。試合当初からずっと文句 を言いつづけていた守備の要・ネスタは、トッティの独走をタックルで止め一発 退場。警告累積のリーチがかかっていたパンカロ、ネグロは、ローマの怒涛の攻 撃への応対に追われて激しいチャージをし、それぞれイエローを頂戴してしま う。結局、レギュラーのDF陣が次節全員出場停止という由々しき事態となったの だ。

そして迎えた第29節。ホームに昨季の王者ユヴェントスを迎えた。残念ながらま だ試合を観ていないのだが、マンチェスター・ユナイテッド戦を控え、主力温存 策に出たユーヴェに、1対3と敗戦。

そして気がつけば……ミランの姿がはっきりとしていた……

ミランは勝ち点を黙々と拾ってきた。そして、もたもたしているフィオやパルマ を抜き去り、ついにスクデット争いの表舞台へと飛び出した。第29節、ウディ ネーゼ戦。完全にリズムに乗ったミランは5対1で圧勝。ミランが終盤に入り、 スクデットに向けてひた走りだした。彼らには今季、スクデット以外に目標がな い、というのも強みだ。(ラツィオにはCWCが残っている。)久々のスクデット 争いに参戦したことで、失った自信を取り戻しているに違いない。対する暫定王 者ラツィオにはいっときの勢いが感じられない。おそらく、スクデット戦線終盤 は、ラツィオとミランの一騎打ちとなるだろう。そこに絡むB落ち戦線を戦って いるチーム、そしてUEFA CUP出場圏内、CHAMPIONS LEAGUE出場権内を狙ってくる チーム。リーグ戦終盤はどの試合も重要な意味を持っている。

さて、わたしが以前から気にかけているのは、昨シーズンのラツィオの戦いぶ り。昨シーズンもリーグ戦中盤から破竹の勢いで、ユーヴェとインテルが演じて いたスクデット戦線に殴り込みをかけてきた。しかし、ラツィオにとっての天王 山の戦い ーホームでユーヴェを叩き首位に躍り出る絶好のチャンスー に惜敗 し、その後、二度と浮上してくることはなかった。それまでの戦いぶりが嘘のよ うに連敗をかさね、ついにはスクデットばかりかUEFA CUPまで失ってしまったの だ。今年も重要な時期にユーヴェに負けたが、これが尾をひかなければよいが… …勝ちなれていない体質をまたしても露呈してしまうのか?ラツィオの残り試合 は、サンプ、ウディネ、ボローニャ、フィオ、パルマ、と強豪ぞろい。対するミ ランはユーヴェを除けば下位チームばかりである。さて、どのような結末が待っ ているのだろうか?

20 Aprile 1999
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